この参議院議員選挙が最初で最後になること

選挙権年齢が引き下げられてから最初の国政選挙となりました。
結果はニュースなどでご覧のとおりですが、あまり報じられていないような気がするのが今回選挙権を得た10代の投票率です。
調べてみてわかったことがありました。

この参議院議員選挙が最初で最後になること
この参議院議員選挙が最初で最後になること

10代の投票率は45.45%

内訳は18歳が51.17%、19歳が39.66%、ちなみに全体の投票率は54.7%で戦後4番目の低さでした。
直前までニュースなどで特集組んだり、各政党が10代へのアピールをしていたのにこの低さ。
どちらも全体より低い。

この数字で確信したことがあります。
今後、各政党は若者向けのアピールをしなくなる、ということです。

投票率が低ければ組織票を持つ候補が有利

当たり前のように言われていることですが、投票率が低ければ組織力が強い党が勝つのです。
一般的には与党ですが、もっといえば自民党と公明党です。
これに共産党を入れてもいいと思います。
今回もこの3党は議席を増やしています。

記憶に新しい政権交代が起こった選挙もですが、野党が躍進しているときは投票率が高いのです。
今回の当選者を見てみるとよくわかります。
例えば、比例代表で見てみましょう。

比例代表の高得票当選の1位から4位までが公明党の候補者。
反対に低得票当選の1位も公明党の候補者で、2位から5位が共産党の候補者でした。
比例代表は個人の得票に政党名での得票が加算されるので、低投票率が功を奏したといえる結果です。
ちなみに公明党は当初6議席を目標にしていたそうなので、7人目が当選したのは低投票率のおかげではないでしょうか。

その他でも自民党や民進党の当選者も肩書を見ると、農協だとか郵便だとか労組だとかバックボーンが大きい人達ばかりです。

若者向けのアピールは最初で最後かもしれない

10代の投票先も、結果としては20代以降の投票先と変わらないどころか、各世代の中で自民党への率が一番高かった。
ということは、低投票率であればどの世代でも組織票を持つ候補が有利になるということです。
それがわかれば占めたもの、与党は放っておいても投票率が低ければ自分たちが勝つわけです。
野党(共産党を除く)からすれば、投票率を挙げなければ自分たちに勝ち目はないのです。

では、野党は投票率を上げるようにがんばれるか、といえばそうもいかない。
今回の選挙は安保法制反対の流れから、SEALsのように若い世代が立ち上がったはずでした。
なので、勝手な想像ですが、野党は若い世代は自分たちの味方、と思っていたのではないでしょうか。

それがものの見事に打ち砕かれたわけです。
大半の若者がSEALsの活動を冷ややかな目で見ていた、とは言いません。
しかしながら、選挙に行った10代、20代は自民党に投票していたのです。

終わりに

せっかく70年ぶりに選挙権の幅が広がったにもかかわらず、半数以上が棄権してしまいました。
これで各政党は若者向けの政策をより一層出さなくなります。
テレビや新聞は流行り廃りがあるので、18歳選挙特集などは今回だけでしょう。
教育機関も「模擬投票」などは無意味とわかったでしょう。

そもそも20歳になる人に向けて、選挙に行かせようとする方策を取ってきませんでした。
にもかかわらず、選挙権年齢が下がったからといって、いきなりやっても無意味です。
教育機関が長期的に政治との関わりを授業の中でしっかり取り入れていかなければ、投票率は上がりっこないのです。

広告