上様といえど手向かいいたしますぞ-暴れん坊将軍

2015年6月4日

フィクション、ノンフィクション問わず、名言と思ったものを紹介していきます。pecorinoです。こんばんは。
すごい名言になるかもしれない記事を発見しました。
http://www.lifehacker.jp/2015/06/150603_coffee_life.html(実は体に良かった。ブラックコーヒーがもたらす健康効果)
の文中に「あらゆる原因による死亡率を下げる可能性がある。」とのこと。
あらゆるってところがミソですね。

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さて、暴れん坊将軍といえば、8代将軍徳川吉宗が素性を隠して巨悪を成敗していく、時代劇の定番ともいえる番組です。最近はこういう典型的な勧善懲悪もの、というより時代劇自体がなくなって残念です。

発言の経緯

これら悪党たちは、現実逃避するタイプと居直って反逆するタイプがいます。

上様の名を騙る偽者じゃ

まずは現実逃避型。
一度は上様と認めておきながら、「こんなところに上様がくるはずがない」と前置きしてのこの発言です。

確かに一理ありますよ。
上様が一人でノコノコと家臣の、しかも悪いことをしているかもしれないところへ乗り込むはずはありません。
正常な反応です。
そしてそんなところへやってきて、上様を名乗るなんて信じがたいことです。
偽者と疑いたくなる気持ちもわかります。

上様とて手向かいいたしますぞ

居直り反逆型。
これはとんでもないことです。
将軍様はおろか、幕府どころか日本中を敵に回す暴言です。
仮に上様を倒したとして、その後のことをきちんと考えているのでしょうか。
周囲はみんな敵なのに。
正気の沙汰とは思えません。
他にも「われわれあっての上様じゃ」とか「飛んで火にいる夏の虫」みたいなことを言っています。

愛すべき悪役たち

暴れん坊将軍のような状況が成り立つのは、将軍に謁見できるいわば高級官僚と実働部隊として動ける商人。
そして将軍の顔知らないその他大勢の三者がいてこそなのです。

考えてみると、この頃は今のように写真やテレビ、当然インターネットは存在しません。
つまり、将軍に謁見できる役回り以外は、自分たちの本当のトップの顔を知らないのです。
だから自分の親玉が「上様の名を騙る偽者」と言ったらそれを信じるしかないのです。

でも後者で考えたら話は全然違います。
将軍とわかっていながら反旗を翻す、となると、商人もその他大勢も知りながらやったということになって、
例えその場では生き残ったとしても(吉宗は峰打ちなのでほとんど生き残る)、将軍に刃向かったことに違いはないので助からないのです。

「上様とて手向かいいたしますぞ」には、悪いことをした自分だけでなく、その場にいたすべての人間を死に追いやる恐るべき言葉だったのです。
責任者たるもの、発言には気をつけなければなりません。
特に、老中や若年寄を狙う人たちは特に。
もちろん干されてしまった元大目付とかも、家臣は大事にしてあげましょう。

それにしても毎週のように高級官僚が倒されてしまって、幕府は大丈夫なのかと思うのですが、翌週には何事もなかったかのように日常が回っているようなので、将軍様のご意向は全てがなかったことになるのでしょうね、といったところですかね。

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