地方議員の成り手が減っているらしいので、目指したことがある僕が考えてみた

2015年1月9日

地方議員の成り手が減っているらしい。というのはこの記事を読んだから。

http://diamond.jp/articles/-/64589

かつて政治家を志し、今は全くその気がない僕が、なぜその気がなくなり、今はどうなっているのか考えてみました。

・政治離れはどうして起こる?
・昔のやり方ではダメになった
・僕がその気をなくした理由
の3本でお送りします。

政治離れはどうして起こる?

大阪に住んでいるからかもしれないが、12月の衆議院議員選挙では戸惑うことが多かった。野党共闘、候補者一本化などといいつつ、民主・維新などなどが協力している。一方大阪では自民・公明・民主・共産が維新と対立している。道説明すべきなんだろうか。
おまけに地方議員レベルになると、不可解なことが起こっていた。8年前の統一地方選挙で「無所属市民派」を名乗っていた人たちが4年前には「みんなの党公認」になっていた。でもそれは序章だった。衆院選を前にみんなの党が解散し、彼らはどうなるのだろうと思っていたら、維新の党の公認候補の推薦人になっていたのである。彼らはこのまま「維新の党公認」になるのだろうか。
維新の党が良いとか悪いとかではなく、彼らにはきちんと説明できる大義はあるのだろうか。僕が住む自治体では現時点で事実上の維新の党が多数派になっている。この状況をどれほどの市民が望んでいただろうか。

国レベルでもおかしなことが起こっている。沖縄県知事が自民党に門前払いされたという。「自民沖縄県選出の国会議員が、知事にパイプがないことを示した」とかなんとか言ったそうだ。この国会議員が誰なのかはわからないが、先の衆院選で自民党は沖縄選挙区で全敗していて、参議院の一人を除けば比例復活なので、沖縄県民から選ばれていないかもしれないのだ。そんな国会議員が沖縄県民から選ばれた知事についてあれこれ言うのはおかしくないか?と思うのだ。

昔のやり方ではダメになった

大阪の話に戻そう。今回の衆院選で象徴的なことが起こった。大阪11区は民主党の元官房長官の牙城だったのだが、自民党の落下傘が風穴を開けたのだ。もともと労働組合が強いところではあったのだが、前回、維新の風に吹かれて雰囲気が変わっていた。そこに安倍政権が行った官製春闘により賃金上昇が実現してしまった。
官製春闘による賃金上昇は、労働組合の存在意義が問われることに近いもので、労働組合から民主党を通じて賃金交渉をするより自民党を通じた方が効果があるということになってしまった。

そんなこともあったのだろう、かの元官房長官の陣営は「外から来た人より、地元の人を国会へ」という戦略にシフトチェンジしたようだ。最後の街頭演説の最終演者までは。最後に出てきた連合大阪の方は、こともあろうに「団結ガンバロー」で締めたのだ。見ていた僕としては「これは危ないな」と思った。せっかく労組色を隠してきたのにな、という気持ちだった。

そんなこともあって、今回選挙区で勝ち残った民主党議員は変化に対応できたのだろうと思う。労働者対経営者の構図はもうほとんど体をなしていない。今回の民主党の代表選挙はどこかの評論家が言うように、当選者によっては民主党崩壊の危機に陥るのかもしれない。

僕がその気をなくした理由

先日、政治に深く関わる方の結婚パーティに行ったときのこと。一般人には高いだろうと思える参加費の割りに、立食だったことにびっくりした。政治資金パーティのつもりなのかな、と思った。それほど感覚がかけ離れているのだろう。僕は高い参加費を支払ったにも関わらず、1時間そこそこ、ビール2杯で帰宅した。彼らからは特に何も言ってこないし、僕も言うつもりはない。

日本では選挙に立候補する、となるとリスクがとても高い。いくつかの企業を除いてはたいていの場合、立候補前には無職になる。で、たいがい同じ職場には戻れない。たぶん。それでも目指せる人は、よほどお金があるか、志が高いか、勝算があるか、ということになる。家族ができた僕には到底不可能なことだ。

隠すつもりはないが、以前民主党大阪府連の政治スクールに参加し、成り行きで街宣車でマイクを握った。なかなかできることではないし、気持ちも良かった。おかげさまでどちらかといえば人見知りだった僕は、人前でも話ができるようになった。この頃からすでに感じていたが、議員の方々はやはり普通の人とは違うのだ。早朝駅に立って演説してから出勤する、なんて普通の人にはできない。街宣車でマイクを握った僕でも、明日からやれ、と言われるとちょっと考えてしまう。

そんなことで新しい風が吹き込まない議会には、背景に何かしらの組織がある人たちが当たり前のように居座るのである。新しい風かな?と思っても4年間で残念な背景が見え隠れしてしまったりもする。そう簡単に成り手が増えそうにはない。

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