もしアニメ好きの水泳選手がMe And My Girlを鑑賞したら
人生2回目にして今年2回目のタカラヅカで多少腑抜けになっている今日この頃です。
みなさま、ごきげんうるわしゅうございます。
今回は花組公演の「Me And My Girl」でございます。
タカラヅカどころか、ミュージカル自体が素人なので、見るもののたいていが新しいわけです。
2回目なので、全てではございません。
しかしながら、期待ははずさないのがタカラヅカ。
今回も大いに楽しむことができました。
なお、素人が書いておりますので、ベテランの方には当たり前すぎて泣けてくるかと思います。
適当にスルーしていただいても結構かと思います。
Me And My Girlとは…
当主を失った名門貴族にご落胤がいることがわかります。
しかし弁護士に連れられてきたのは下町育ちで、奔放に育った青年ビル。
後見人のジョン卿は追い出そうとしますが、当主の妹である公爵夫人はビルを貴族にしようと教育していきます。
ビルと同じ下町ランベスで育った恋人サリーは、日に日に貴族らしくなるビルにふさわしくないと思い始めます。
爵位と財産を狙うジャッキーや、その婚約者ジェラルドなども絡んでドタバタ劇が展開されます。
さて、ビルとサリーの育った街ランベスは現在のロンドンのほぼ中央に位置します。
舞台となっている時代は、エンターテイメント系の歓楽街として発展しています。
いわゆるスラム街・貧民街といったところではなさそうです。
ビル(ウィリアム)はイギリスでも一般的なファーストネーム。
マイクロソフトのビル・ゲイツや元アメリカ大統領のビル・クリントンもウィリアムです。
イギリス人ではありませんが。
サリーのファミリーネーム・スミスはイギリスで最も多い姓だそうです。
日本でいうと「山田」とか「鈴木」とかありふれた姓ですね。
なんとなく、どこにでもいる二人がいきなり貴族とその恋人になった、という感じです。
このストーリー自体は宝塚歌劇オリジナルではありません。
僕が驚いたのは、主人公とヒロインがどちらも同じラインで終わること。
こういうのは大抵、急に貴族社会に放り込まれた主人公が、「貴族の娘」と一緒になるためにがんばる。
ヒロインは貴族になっていく主人公のために身を引いて応援する。
というのがなんとなく頭にある定番だったわけです。
だがしかしですよ。
この話はそうではなく、主人公はヒロインを一途に思い続けつつも貴族になっていくわけですね。
すばらしい。
幕が下りない舞台技術
初めてのときにも驚いたんですが、基本的に幕が下りない。
今回のMe And My Girlはいわゆる一本物。
途中休憩を挟むものの、最後に少しだけショーが入る以外は全てミュージカルです。
この途中休憩まで、「必ず誰かが舞台上にいる」のです。
照明の技術力と訓練の賜物といえるでしょう。
おかげで舞台に集中できるわけです。
第2幕で、夜のロンドンを背景にビルとサリーがダンスします。
ここは最初から最後まで、できれば瞬きせずに見ていただきたい。
シーン自体もすごく良いのですが舞台転換は腕の見せ所なんだろうな、と思わせます。
あの人がいるから深みがでる
シーンによっては台詞もなく、特に大きな動きもしない人物がいたりします。
聞くところによると、ただ編み物をしているだけの人であっても何かしらストーリーを考えているそうです。
日常生活でも、意味もなく歩いている通行人なんていないはず。
シーンに深みが出る仕組みなんでしょう。
Me And My Girlは全編通してコメディ色が強いので、アドリブも多いようです。
1回しか見ていないので断言はできませんが。
そうなると、毎回違うものが見られるので、何度行っても楽しめます。
次がいつのかわかりませんが、次回の公演もまた楽しみになりますね。
タカラヅカなので、舞台上は女性しかいません。
時々性別なんてどうでもよくなってくるんですけど、たまに下ネタがあってドキっとします。
女性が男性になって、女性に下ネタを披露するんですから、男としてはどうしたものやら、となるわけです。
ニヤニヤしながら見ていていいものか、と困る…かもしれません。
3日間はループする
ミュージカルなので歌います。
しかも曲数はかなり多いようです。
その中でも「ランベスウォーク」は3日間はループします。
できれば仕事中に誰かと一緒に歌って踊りたいものです。
パーチェスターさんの歌までいけたらもう浸かりまくってますね。
僕にも教えてください。
一本物なのでショーは短いのが、さながらエンディングテーマのようにやってきます。
Me And My Girlは、役代わりで本来男役の方が女性のジャッキーを演じる日程があります。
このとき、ショーでは本来の男役として登場するので1度で2度楽しめるお得感があります。
正直、僕にはそのあたりの理解が足らずに、もっぱら後から聞いて感心するばかりですが。
ストーリーがわかりやすく、コメディ色が強いので初めての方でもきっと楽しめます。
とはいえ、まもなく宝塚大劇場での公演は終わるんではないかと思います。
立ち見まで出てたぐらいなので、席の確保が困難かもしれませんが、機会があればぜひどうぞ。