ポーの一族(宝塚歌劇花組公演)を見てきました

2018年2月13日

これまでマンガや小説の映像化をいろいろ見てきました。一番多いのはアニメ。時々ドラマ。まれに映画。作品が好きであればあるほど期待と、そして比例してガッカリもしてきました。

ところが、です。「ポーの一族」は作品から飛び出した、どころではなく、むしろ原作(特に春の夢あたりは)が舞台に寄せているんではないか、とも考えてしまうほどです。

「美しい」

ありきたりなんですが、それもまた仕方がない。なぜならその通りだから。

前置きが少し長くなりましたが、宝塚歌劇花組公演の「ポーの一族」を観劇してきました。そして感激しました。

宝塚でやるんだから、ということで事前に原作マンガ(文庫版)の3冊と新作「春の夢」の4冊を開いて驚きました。十数年ぶりの少女マンガは「線が細い」。少年マンガで大好きな「北斗の拳」、「スラムダンク」、青年マンガの「ベルセルク」は線が太い。これに慣れてしまっていたので、風が吹いて髪が揺れるなんて、どこまでが風でどこからが髪なのか…。ただ時系列が変わりまくるスタイルはただただ驚きで、小池修一郎氏が舞台化を夢見て宝塚に入団した気持ちがわかる気がしました。

さて、ポーの一族。宝塚歌劇団ではすでにレジェンドといってもいい、あの小池修一郎氏が約30年かけた念願の初舞台化です。宝塚以外では舞台化されていない、というより原作者が認めてこなかったこと。このタイミングでなければおそらく舞台化できなかっただろうということが公式パンフレットでわかります。小池氏の思いは20年ほど前に発売された「文庫版」の巻末でその思いも語られています。

オススメは原作では序盤、舞台では1部の中盤で港町ブラックプールにポーツネル一家が到着したシーン。エドガー、メリーベル、男爵、シーラの4ショットはまさに「完璧な絵」。いつまでも見たくなる。オペラグラスを忘れずに。

個人的に好きだったのは大老(キング)ポー。その他にも本当にこの公演でしか見られない名シーンの数々を目に焼き付けておかなければならないでしょう。

舞台となるブラックプールは、日本映画「Shall we ダンス?」にも登場するブラックプールダンスフェスティバルの会場である都市です。なんでも世界最高峰の社交ダンス競技会なんだとか。またダーツの世界大会もあったりしてなかなか通には知られた街のようです。

エドガー達が現れたのは1876年。鉄道が開通して観光客が増え始めた頃で「新しい町」という方言はピッタリ。その後、劇場やダンスホールができてますます人が増えていったそうです。

現在の街のシンボル・ブラックプールタワーは1894年に建設されているので、当時はまだありませんでした。またエドガー達は鉄道ではなく馬車で到着したような雰囲気が伺えます。

なお、劇中の世界的な降霊イベントで大老ポーを降霊させたブラヴァツキー夫人は実在の人物です。この時期、彼女は世界的なオカルトのカリスマともいえる存在でした。記録では幼いころから妖精と対話できたらしいのですが、アメリカでの活動より前の出自はよくわからないそうです。1879年にアメリカからインドへ渡る途中に短期間ロンドンに滞在していたそうです。

フィクションの中に、実在の人物を混ぜ込んでくるところに宝塚歌劇と小池修一郎氏の真髄を見た気がします。

宝塚歌劇花組公演「ポーの一族」の東京公演千秋楽はライブビューイングが決定しています。

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