「全然OK」は全然OKなのか

s-OK
s-OK

「おあいそ」は本来、店主が使う言葉で客が使うものではないそうです。
pecorinoです。こんばんは。
あまりいい印象の言葉ではないので使うことはないんですけどね。

さて、全然の後ろに肯定する言葉がくると違和感があるそうです。
自分自身の経験を思い返してみても、「全然○○ない」という使い方が一般的ではないか、と思っていました。

だがしかし、ですよ。
気がついたんです。
たまにメールで「全然OK」なんて使っているのを。
日本語ではないですが、全然の後ろに肯定する言葉が付いているんですよね。
自分でも驚きました。

ファーストコンタクト

僕が一番最初にこの表現に当たったと思われるのは、ドラゴンボールです。
ナメック星の神龍を目の当たりにしたクリリンが言った、
「でかい 地球のより全然でかい」
だったかな、と。

今でも「おや?」と思うのですよ。
アニメではどうなっていたかはわかりませんが、すでに大人気マンガになっていて、しかも天下の集英社がこれで通しているのですから、「全然OK」だったのかもしれませんね。

辞書では

辞書で引くとどうでしょう。

1[ト・タル][文][形動タリ]余すところのないさま。まったくそうであるさま。
「―たるスパルタ国の属邦にあらずと雖も」〈竜渓・経国美談〉
2[副]
1 (あとに打消しの語や否定的な表現を伴って)まるで。少しも。「―食欲がない」「その話は―知らない」「スポーツは―だめです」
2 残りなく。すっかり。
「結婚の問題は―僕に任せるという愛子の言葉を」〈志賀・暗夜行路〉
3 (俗な言い方)非常に。とても。「―愉快だ」

一番上は違いますが、後ろに否定語がつく前提で意味が書かれていますね。
後ろに肯定語が来るのは俗な言い方だそうですね。

有名作家も使っている……?

一部の議論で夏目漱石も使っているとか、有名な古典でも出てくるから正しい、なんてことがいわれます。
でもそれは正しいとかそういうことではないと思います。

それを正しいとするのであれば、誤植として有名な、「すべからく努力しておる」(はじめの一歩)も、ある程度時間が経てば正しいと言われかねない話です。
マンガと小説は違う、といわれるかもしれません。
でもそれであれば、現代の作家は間違っていて古典の有名な作家は正しいのか、ということになりませんか?

まとめ

「全然」に限らず、冒頭の「おあいそ」にしても、日本語の変化とか進化といっても構わないのではないかと思います。
この時代には、全然のあとに肯定する言葉が来ても通用していたのか、ということで良いのではないかと。
言葉の起こりを知っていることは大切かもしれませんが、本来の意味をもはや誰も知らず、違った意味で使っているのであれば、それも言葉の変化・進化でしょう。

「おあいそ」を「お会計」という意味で使っていて、客も店主も悪い気持ちにならないのであれば、それで成立しているのではないでしょうか。
つまり「全然OK」ってことですよね。

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