消費増税見送りで選挙の投票先が見つからない

参議院議員選挙が迫ってきました。
今回から選挙権が18歳に引き下げられます。
主要政党が今さら若者向けの政策をアピールするのはそのためです。
しかし、実際にやっていることは自分たちのツケを未来に先送りにするという、決して若者向けではないことです。

消費増税見送りで選挙の投票先が見つからない
消費増税見送りで選挙の投票先が見つからない

増税延期はとんでもない?

子育てしている親としては、社会保障政策をやらないなんてとんでもないことです。
介護や医療は待ったなしのはずです。
親が介護施設でお世話になったときのことを考えると、介護環境を良くしてほしいものです。
しかしながら、公約を破り「新しい判断」で消費税の増税を先送りしてしまいました。
これで医療、介護、福祉なんかの政策はできなくなりました。

財源がないのでどうしようもないのです。
増税延期の翌日には、厚労省が来年の薬価の切り下げを中止しました。
医療費の減額が先送りされたわけです。

増税先送りで信を問う?

消費税の増税を先送りすることで信を問うのは2回目。
前回の先送りでは衆議院を解散しました。
今回は連立与党の公明党が嫌がったせい、と言われてますがダブル選はなくなりました。
そこで参院選で信を問うことになりました。

ですが、同じ会見の信を問う発言の直後に首相はこんなことを言いました。
「参院選はアベノミクスを進めるか、止めるかが争点になる」。
あれあれ?増税延期で信を問うのではなかったのですか?

そういえば、消費税増税延期すべし、という声はよく聞きます。
ですが、不思議なことに延期に反対する声は、そもそも消費税増税に反対する声以外聞きません。
あんなに増税やむなしという雰囲気だったにもかかわらず。

そもそも来年4月の消費税増税は法律で決められたことだったはずです。
だからこそ首相も「新しい判断」とか「信を問う」とか言ったのではないのでしょうか。
主要政党は現時点(6月7日)で、消費税増税延期をどう説明しているのでしょうか。

予定通り増税するべきはゼロ では財源は?

調べてみると、予定通り増税するべきという政党がないことがわかりました。
以下、主要政党の消費税についての考え方です(五十音順)。

おおさか維新の会
政府与党が延期を決めたのであれば、身を切る改革を行って4兆円を産みだす。

公明党
現状を見れば消費税増税はやむを得ないが、政府自民党が延期を決めたのであれば了承する。
アベノミクスも応援する。

社会民主党(社民党)
アベノミクスは失敗したから消費税増税は延期すべし。

自由民主党(自民党)
消費税増税は延期。予定していた社会保障は全部はできない。
アベノミクスで景気回復した分を財源にする。

新党改革
消費税増税はやむを得ないが、今はすべきではない。

生活の党と山本太郎となかまたち
消費税自体反対。
消費税をなくした分で景気を回復させる。

日本共産党(共産党)
そもそも消費税に反対。延期ではなく中止すべき。
社会体制そのものを見直して、財源を産みだす。

日本のこころを大切にする党
消費税増税は延期すべき。

日本を元気にする会
消費税に関する表現は見当たらず。
見つけられていなければ申し訳ないかぎり。

民進党
アベノミクスが失敗している以上、消費税増税は延期。
社会保障の財源は赤字国債で。

念のために減税日本と幸福実現党、国民の怒りの声も確認しました。
減税と幸福はいずれも消費税率を下げるべき。
国民の怒りは消費税増税延期と行財政改革でした。

増税しない分の社会保障費の財源をなんとなくでも示しているのは、おおさか維新、自民(公明)、生活、共産、民進の4党。
公明党は自民党と同意見であると見なしました。

このうち、はっきりお金が出せそうなのは民進党。
赤字国債ですから将来への借金です。
自民党と生活の党と山本太郎となかまたちは景気回復した分。
おおさか維新も身を切った分。
共産党は体制を改めなければなりません。

消費税を先送りしたことで将来世代にツケを回す。
そのうえ、赤字国債か、できるかどうかもわからない金をあてにする。
どちらかを選ばなければならないとは信じがたいことです。

投票先が見当たらない

これでは、将来へのツケを少しでも少なくするために、来年4月の消費税増税で社会保障をしっかりしてほしい、と思う人はどうすればよいのでしょうか。
今回の参院選で考えることは様々です。
しかしながら、少なくとも消費税のことでは投票先が見当たりません。

こう言ってはなんですが、せっかく首相が信を問うと言ってくれているのに、争点にしないのです。
そしてよりにもよって、何が成功で何が失敗か、どうとでも言えることを争点にしているのです。
周りの給料が上がって株価が上がったところで、自分自身に実感がなければ成功したとは言えません。
与党は成功と言うでしょう。
野党は一人でも実感していない人がいれば失敗と言うことでしょう。
そんなことが争点化されて、やらなければならないことを先送りしているとしか思えません。

今すぐにでも将来に回すツケを減らし、社会保障をしっかりしてほしいと思う人たちがいます。
その人たちへの説明がきちんとされているとは到底思えないのです。

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